費用は？選ぶポイントは？特殊清掃の基礎知識

2021年5月13日

孤独死や自殺など住人が亡くなられた現場となった部屋を元通りにする専門サービスを特殊清掃と呼びます

遺体の発見が遅れると部屋や設備に深刻なダメージが生じてしまいそのままでは貸し出せない状態になってしまいます。

そのままでは貸し出せない部屋も特殊清掃を入れることで部屋は居住可能な状態に復旧するため賃貸経営者にとっては頼もしいサービスです。

以前はほんの一握りの限られた業者しか無かった特殊清掃ですが最近はメディアでワケあり物件が注目を集めた影響もあって新規参入する業者が増えています。

特殊清掃の看板を掲げていても技術や実績はバラバラで、中にはレベルの低い業者も紛れているため注意が必要です。

問題のある部屋を元通りにしてくれる信頼できる特殊清掃の業者を見分けるにはどうすればいいのでしょうか。

今回は、優良業者を見分けるためのポイントと費用や依頼時の注意点など特殊清掃の基礎知識を紹介します。

特殊清掃とは

特殊清掃とは、孤独死や自殺など室内で亡くなられた方の遺体発見が遅れてしまった場合に生じる室内の汚れやダメージを回復させる特殊な清掃サービスのことです。

部屋で人が亡くなった場合、遺体の発見が遅れると周囲に大きな影響が発生します。

遺体を放置すると体液や糞尿が流れだし部屋の床などを汚してしまいます。

発見が遅れると流れだした体液類がフローリングや畳を腐らせたり取れないシミを作ります。

そのような遺体によって生じる汚れは通所の洗剤では落とせません。

さらに遺体独特の強い臭気が発生するためニオイ対策も必要になります。

通常の清掃業者ではそのような遺体に由来する汚れには対応できません。

特殊性創業者は人が亡くなった後始末を専門に請け負い部屋を元のきれいな状態に原状回復します。

特殊清掃の作業内容

特殊清掃を手がける業者は独自のノウハウを用いて遺体によって生じた汚れや損傷対処します。

一般的な正装では対処できないダメージについても特殊清掃奈良対応してくれます。

清掃以外にも孤独死などの形で人が亡くなられたことにより必要となるサービス全般を請け負ってくれるので部件オーナーにはありがたいサービスです。

清掃・洗浄

遺体によって生じた汚れを清掃、洗浄します。

遺体に由来する汚れは通常の洗剤では落ちないため専用洗剤や薬剤を使用して汚れを落とします。亡くなられてから日が浅い場合は汚れていたことがわからないほどキレイになります。

消臭・脱臭

遺体からは独特の臭気、いわゆる死臭が発せられます。特殊清掃では現場のニオイを徹底的に除去し元通りに回復します。

特殊清掃が必要な状況ではニオイが非常にきつく、窓を開けて歓喜した程度では対処できません。

ニオイは壁や床、家具などに染み付いてしまうため元通りにするには専用の強力な脱臭剤や消臭剤のほかオゾン脱臭機や空気清浄機など大型の装置が使用されます。

特に夏場の孤独死などは匂いが非常に強いことから特殊清掃の役割は非常に重要です。

部材・設備の交換

特殊清掃が必要な状況では清掃や消臭などの方法だけでは対処し切れないことも多く、ダメージが生じた部材や設備については交換するのが一般的です。

部屋の部材や設備の交換は通常リフォーム扱いとなるため清掃業者とは別にリフォーム業者を手配する必要がありますが、特殊清掃を専門に手がける業者では部材や設備の交換工事についても対応します。

フローリングや畳の交換、壁紙の張替えなどの他にも亡くなられた状況によってはユニットバスをまるごと入れ替えるなど現状復旧に必要なあらゆる交換工事を行います。

遺品整理

亡くなられた方が残したい品の整理も特殊清掃の仕事のひとつです。

遺産を引き継ぐ人がいる場合は重要なものや思い出になるものなどを遺品として選別し清掃、脱臭して引き渡します。

孤独死など亡くなられた方の遺産を引き継ぐ人がいないケースでは残された家具や荷物は不要品になります。特殊業者に依頼すれば不要品の引取処分してもらえます。

害虫駆除

孤独死など部屋で亡くなられた人が長期間包囲されてしまったときに大きな問題になるのが害虫の発生です。

遺体にはすぐに虫がわくと言われますがそれは決して比喩ではありません。

突然死から数時間後にはどこからとも無く害虫がやってきて遺体を食い荒らしたり卵を産み付けたりします。

数日間遺体が放置されるようなことがあれば害虫は大繁殖してしまいます。

特殊性創業者は現場で大量発生したハエやゴキブリなどの害虫駆除も行います。

部屋はきれいになっても見えない床下や屋根裏に害虫が大量発生していることは珍しくありません。

徹底した殺虫剤と消毒薬の散布により害虫被害を防ぎます。

特殊清掃の費用

通常の清掃業者よりも専門的で高度な作業が行われる特殊清掃を依頼するとそれなりの費用がかかります。

問題のある部屋を再び利用できるまでに回復してくれるサービスですから高額でも支払うだけの価値はありますが、おおよその相場くらいはわからないと依頼しにくいのは事実です。

特殊清掃にはどのくらいの費用がかかるものなのでしょうか。

特殊清掃の料金相場

特殊清掃の料金は作業する間取りと作業内容によって決まります。

料金の相場は1室当たりの基本料金プラス作業内容と人数で変動します。

おおよその相場としては1部屋あたりの基本料金が30000～50000円、作業員一人あたり20000円～、オプション料金は内容により15000～30000円が目安です。

上記の料金の他に交換部材・設備費、交換設備の取り付け工事費、不要品の運搬処分費などの実費負担が必要です。

リフォームの規模が大きいと負担はかなり高額になります。

フローリングの張り替えなら安くても150000円前後、浴室まるごとユニットバス入れ替えとなると800000円以上かかります。

料金を安くするには

特殊清掃の料金を安くするには複数業者から見積もりを取り比較する方法が効果的です。

特殊清掃を頻繁に利用した経験のある人はほとんどおらず、大抵の場合は業者の言いなりの料金に従ってしまいます。

善良な業者なら問題ありませんが高額の料金をふっかけてくる業者にあたるリスクを考慮すると複数業者の見積でおおよその相場を掴んでおく必要があります。

料金とサービス内容を比べて一番お得な業者に依頼すれば余計な費用負担をすることなく納得のいくサービスを利用できます。

早めに依頼するのも大切なポイントです。

特殊清掃は時間がたつほど汚れや痛みがひどくなり原状回復の難易度が上がります。

現場を確認したらすみやかに特殊清掃を依頼し現場検証など必要な手続きが終わったらすぐに作業に配流ようにすると飛鷹の節約につながります。

優良な業者を見分けるコツ

特殊清掃業界は新規参入が相次いでおり業者間のレベルの差が顕著です。

大切な不動産物件をきれいな状態に戻してもらうために優良な業者を見分けるコツを知っておきましょう。

実績に注目

過去に何件も特殊清掃を手がけた実績は信頼の証です。創業からの時間が長く経験豊富な業者ほど優良業者である確率が高くなります。

歴史が古い業者であっても業態転換をしていて特殊清掃歴が浅いこともあります。

会社設立からの年月だけでなく特殊清掃としての営業歌詞からどの程度時間が立っているのか、何件くらいの実績があるのかをチェックしてください。

説明の具体性

特殊清掃の作業内容について具体的に説明してくれる業者は信頼できる業者です。

使用する道具や機器類についてホームページに詳細な記載があるかどうか、どのように作業を進めるのかなど詳しい説明の有無で優良業者を見分けましょう。

説明を求めても曖昧なことしか言わなかったり熱意ばかりアピールして技術的な説明にかけたりする業者には要注意です。

資格の有無

特殊清掃の看板を掲げて営業するのに法的な許可や資格は必要ありませんが一般社団法人事件現場特殊清掃センターが発行する「事件現場特殊清掃士」の有資格者がいる業者なら信頼度は高まります。

正しい知識と技術を身に着けていると認められた人のみが取得している資格なので優良業者を見分ける手がかりになります。

見積書の明細に注目

契約前に見積書を取ったら明細の記載内容をチェックしましょう。

費用の内訳が細かく書かれている業者は隠し事をしない優良業者です。

具体的な内訳がなくどんぶり勘定の明細書を提出してくる業者は信頼性に欠けます。

料金が安くても何にいくら使われるのかお金の内訳がわからないようでは安心して依頼できません。

まとめ

特殊清掃を依頼する機会は多くありません。ほとんどの場合必要に迫られて慌てて業者を探すことになります。

慌てて業者を探すとどうしてもチェックが甘くなりがちです。時間に追われて優良業者探しも十分に行えないまま依頼してしまうことが少なくありません。

信頼できる業者に安心して依頼するためにもきちんと業者をチェックして優良業者を見つけ出し、サービス内容と料金に納得した上で契約書にサインしてください。