遺品整理の料金相場と費用について

2021年6月14日

遺品整理の料金の相場と費用を抑えるコツについて

今回は誰もが直面する可能性が高い、遺品整理というテーマについて書いていきます。

特に、遺品整理にかかる費用の相場や、それを踏まえてその費用を抑えるコツについて書いていきますので、興味のある方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。

この記事の内容

ある日突然訪れる親しい人の死と遺品整理という難問

親しい方が突然亡くなるという事は、ある日唐突に訪れます。

茫然とすることも出来ず、慣れない葬儀の準備に追われて、悲しむ暇さえないという方も多いのではないかと思います。

そして、葬儀も終わり、ひと段落したと思ったのもつかの間、次は遺品整理という大きな壁があなたの目の前に立ちはだかります。

遺品とは、故人の所有していた全ての物を指しますが、ある意味その人の人生を象徴するものです。

その量はハッキリ言って想定以上の圧倒的な量である場合は多いです。

「遺品整理」というと、漢字四文字ですが、その中身は途方もない作業。

一体どこから手を付けたら良いのか…と茫然と立ち尽くす方が殆どではないでしょうか。

気持ちを取り直して、さあ!いざ遺品整理!と奮い立ったは良いが、どの様な方法で、どこから手を付けたら良いのか…、もしかしたらこれを読んでいるあなたは、頼れる家族親族が身近に居なければ、自分がメインで整理をしなければいけなくなる方かも知れません。

家族親族がたとえ居たとしても、遺品整理とはお金が絡む問題なので、関係する家族親族が多ければ、簡単には捨てるもの、残す物という判断が中々つかないのが、遺品整理です。

家電や、ブランド物、遺族間における公平性をかき乱し、後々のトラブルを起こす可能性が高い、金銭的な価値がある貴重品をどうするのかという問題に直面します。

後は、土地の契約書、銀行の通帳、キャッシュカードやクレジットカード等のカード類、健康保険証、マイナンバーカード、パスポート、年金手帳、証券関係書類、不動産関係の書類、公共料金の請求書や領収書、等々、対処する期限が設けられていて、早急に手を打たなければいけない物も多くあります。

判断を迫られる事案は次々と湧いてきます。

そして、故人が持ち家で住んでいたならば良いですが、賃貸物件にお住いの方も今の時代は多いと思います。

その様な場合、退去期限が設けられている場合があったり、遺品整理の期間を延長する為に、余計に家賃を支払わなければいけない場合等もあり、ゆっくりと整理する事が出来ない状況の方も多い場合もあります。

様々な状況の中で、しなければいけない葬儀後の最大の難関。それが遺品整理なのです。

本日は、いずれ直面する可能性が高い遺品整理にあたって、その在り方とコストを抑える為に必要な考え方や視点などを共に学んでいただき、今後のお役に立てていただければ幸いです。

自分でやるか、業者に頼むか

遺品整理を大きく二つに分類する事ができます。

それは、「自分(自分達)でやる」か、「遺品整理業者に依頼する」という事です。それぞれ一長一短ですので、一つずつ解説していきたいと思います。

◎自分(自分達)で遺品整理をする(コスト削減)

まず頭に浮かぶのは自分(自分達)で整理するという事だと思います。

この選択をされる事がポピュラーなのではないかと思います。

一番のメリットはお金がかからないという点です。

葬儀屋さんに支払う金額、お寺に納める葬儀料等、人の死に直面した場合、多額のお金がかかるのが常ですので、金銭的なコスト少しでも押さえたいという頭が働くのは当然のことで、遺品整理を業者に頼まずに、自分でやるという事で、出費を大きく抑える事が出来ると思います。

ただしデメリットは語るまでもありませんが、膨大な時間とエネルギーを消費する可能性が高いという事です。

実際の整理作業と、故人が亡くなったショック、心の傷が癒えない精神的な苦しみと共に、特に家族親族が多い場合は、整理するにも神経を使わなければいけない場合が多く、そちらにも気を配らなければいけなくなると、心身ともに不安定になる事が想定されます。(筆者の見てきた遺品整理を個人でされている方は、ほぼ100%精神的に追い詰められていました。家族親族が多ければ、その度合いは強くなる傾向にあると思います)

ですので、金銭的なコストを抑える事と、その様な苦しみを天秤にかけた時に、果たして釣り合っているのか、筆者としては難しいところであると感じる次第です。

故人の所有物があまりにも多い場合は割り切って、遺品整理専門の業者に依頼する方が良いでしょう。

◎遺品整理の業者に依頼する

もう一つの選択としてはタイトル通り「遺品整理の業者に依頼」するという事です。

メリットとしては、膨大にある遺品の整理を代行してくれるという点です。

彼らはプロなので、その作業スピードは一般人とはくらべものになりません。

早く終わるし、作業に伴う苦痛を取り除く事が出来ます。

しかし、デメリットとしては当然お金がかかるという事と、時には悪徳業者と出会い、一般相場よりも高い金額を請求されトラブルになるという事等が挙げられ、自分で整理する時とは違う神経を使わなければいけない場合が多いです。

一般的な遺品整理の相場としては下記のリストをご参照下さい。

業者利用の相場について


費用については、条件(間取り、広さ、作業人数、時間)によって算出されます。
下記に相場を記載するので、参考にしていただければ幸いです。

①間取り(1K・1R) 作業人数(1~2名)作業時間(1~3時間) 費用(30000円~80000円)
②間取り(1DK) 作業人数(2名~3名)作業時間(2~4時間) 費用(50000円~120000円)
③間取り(1LDK) 作業人数(2~4名)作業時間(2~6時間) 費用(70000円~200000円)
④間取り(2DK) 作業人数(2~5名)作業時間(2~6時間) 費用(90000円~250000円)
⑤間取り(2LDK) 作業人数(3~6名)作業時間(3~8時間) 費用(120000円~300000円)
⑥間取り(3LDK) 作業人数(4~8名)作業時間(5~12時) 費用(170000円~500000円)
⑦間取り(4LDK以上) 作業人数(4~10名)作業時間(6~15時) 費用(220000円~600000円)

と、大体このような目安になっております。

但し、室内がゴミ屋敷になっている場合や、故人が一人で亡くなられ、特殊清掃が必要な場合はこの限りではありませんので、注意しましょう。

また特殊清掃が必要な場合は、素人の対応は不可能ですので、業者に依頼する様にしましょう。

料金に幅がある理由


同じ部屋でも料金に幅がある理由としては、シンプルに処分する遺品の量が多いか少ないかで判断されます。

荷物が多ければ金額は高くなるし、少なければ減額されます。

また、多くの部屋があるマンションに住んでいても、実質物が置いてあったのが一部屋だけで、その部屋のみの清掃を依頼する場合は、当然ワンルーム、1Kの料金が適用されます。

そして、建物状況、周辺環境によっても料金が変動します。

理由としては、作業現場における作業時間や作業量が異なってきてしまうからです。

マンションの場合、例えば1階の部屋の整理と、10階の整理とでは、トラックとお部屋の距離が違います。

すると、作業にかかる負担が明確に違う為、当然料金が高く変動してしまいます。

後はエレベーターがある場合と、エレベーターが存在せずに階段のみのマンションの場合でも違います。

要は、業者さんの負担が多ければ、金額が増加するという風に考えて頂いて良いと思います。

具体的に金額が知りたい場合は、見積もりをとってもらい、それに合わせて利用するか否かを判断されると良いと思います。

遺品整理業者に依頼する場合に余計なコストをかけない為に(悪徳業者に注意)

先ほども記載しましたが、良質な遺品整理業者も存在する中、悪徳業者も中には存在します。

悪徳業者と誤って契約してしまうと、当初言っていた金額に上乗せされて、追加料金として支払わなければならないケース等が出てきて、余計な出費に繋がりかねません。

そこで、まずは悪徳業者と見抜き、契約を回避する手段を下記にリストにしましたので、参考にしていただければと思います。

① 遺品整理士認定協会に加入の有無の確認


※協会に入会していれば、信頼度はグーンとアップします。

この協会の特徴としては、遺品整理士と所属業者のチェックを定期的におこなっていることが挙げられます。

契約後のクレームの有無から、廃棄物処理法に則って、適切に不用品を処分しているかどうか、協力機関と共に逐一チェックしています。

悪質なクレームがあった場合、遺品整理士の資格をはく奪する処分をとる等、消費者を守る視点で運営されている団体ですので、協会に加入していれば、かなり信頼できると判断して良いでしょう。

② 打ち合わせの段階から録音機器(ボイスレコーダー等)を使用する。

※この際に、あえて録音しても良いか反応を確かめる。少しドギマギする様なら要注意です。駄目と言われたら悪徳業者と思って、回避する様にしましょう。

③インターネットの口コミを調べる

※ネットで検索しても口コミが少なかったり、サクラっぽい口コミが多ければ要注意。サクラっぽい口コミは、良い回しが適当だったり、書き手の名前に違和感を感じたり等、注意深く観察すれば何となく分かります。

④追加料金がかかる場合には、事前に確認して貰える様にした上で契約を結ぶ


※この際、必ずボイスレコーダーで業者の声を録音する事。後でゴネられた時に、証拠として使用する事が出来ますので、必ず実行する様にしましょう。自分の身を護る為です。

⑤見積額が極端に安価、もしくは高価を確認


※要注意の点です。安価だった場合は、上乗せ前提が濃厚と思って良いと思います。金額について質問して、少しでも違和感を感じたら、その業者とは手を切りましょう。

⑥作業風景や、トラックの写真を撮影しても良いかどうかを確認


※中には貴重品を着服したりする場合も考えられます。そのリスクを回避するためにも、撮影は必須です。これについてゴネる業者は要注意です。

⑦業者の雰囲気は信用できそうかどうか


※言葉使いがだらしない場合、誠意が感じられない場合、高圧的な場合等は注意。こちらが説明を求めてもハッキリした説明をせず、こちらが話しているにも関わらず、話をかぶせてくる業者は要注意。

⑧会社独自の制服を着用しているかどうか。


※信頼度アップの要素です。

⑨料金表が存在するか否か


※明確な料金体系かどうか。料金表がある場合でも、明瞭な書き方ではない場合や、その説明を求めても曖昧な返答が多い業者は要注意!

⑩ホームページが存在するか否か


※ホームページが存在しているだけで信頼度はアップします。しかし、中には独自ドメインを使用せずに、無料ホームページツールの無料ドメインで作成している場合もあります。それだけで悪徳かどうかは判断できませんが、少なくとも独自ドメインを取得してホームページを作成しているという事は、本気で遺品整理業務を生業にしている、信頼できる業者である可能性が高まります。

⑪訪問見積もりに応じるか否か


※ここで応じてくれない場合、もしくは見積もりそのものに金額がかかる業者は、悪徳行為を行う可能性があります。基本的に見積もりは無料で行うものです。
そして、見積もり書を出してくれ、その中身についても曖昧な部分がなく、納得感のある説明があるか否かも大事です。(もごもごとハッキリ言わない業者は要注意!)

⑫見積書の記載が明確か否か


見積もり書をもらった場合、作業内容とその金額をチェックしましょう。必要な作業が過不足なく含まれているかもチェックポイントになります。実際に希望してくれる作業が、サービスに含まれていない場合のトラブルを回避するためにも必要な行動です。

⑬不用品の処分が適切か否か


遺品整理の中で、不用品として判断されたものは「一般廃棄物」として扱われます。その回収や運搬、処分を行う為には「一般廃棄物収集運搬許可証」という免許が必要ですが、この免許を持っている場合は、適切な処分を行っている可能性が高いです。また、免許は不所持ではあるが、免許を持っている別の業者に委託している場合もあります。そのいずれでもない場合は、不法投棄している可能性があり、近年社会問題の一つになっております。

等、が良い業者か否かを判断する上で大事な要素であると思います。
※ どうしてもトラブルになってしまった場合、まずは消費者センターに相談すると対応してくれますので、最終手段としてご活用下さい。

遺品整理業者に依頼する場合のコストの抑え方


悪徳業者ではない、良質な遺品整理業者と出会えたら、早速遺品整理を依頼しましょう。

しかし、どうしてもまとまった金額が必要になるのは仕方のない事です。

ですが、出来れば成るべく金額を押さえたい、という場合に有効な手段について記載しました。

◎処分品の買い取りサービス利用


遺品整理業者さんの中には、遺品の中にある金銭的に価値のあるものを買い取ってくれるケースがあります。

遺品整理業者はプロなので、どの様なものが金銭的に価値があるか良く分かっている場合が多いです。

不動産関係の書類など、そういう類の物は難しいですが、例えば高価な壺だったり、食器類、あるいはブランド物のバッグだったり、衣類等、買い取ってもらう事が出来れば、遺品整理にかかる費用を大幅に減額してもらえる場合があります。

高価な物であれば、売却金額が遺品整理の費用を補ってあまりある場合もあります。

ホームページや口コミ欄で、リサイクルに力を入れている業者を探すと、この様なサービスを行ってくれる場合が多いです。

特に、よりオススメなのは、依頼者の希望を細やかに聞いてくれたり、遺品の仕分け、貴重品等の捜査に精通している口コミが多い業者を選択する事です。

事前に良く調べる事が大事になってきます。

また別の視点になりますが、金銭的に価値のある物の処分は、関係する家族親族が多ければ多いほど、トラブルの種になりやすいのですが、遺品整理の費用に充てるという名目であれば、納得して貰えるケースが多いと思います。

このような利用方法は、家族親族間の金銭的な面における、余計なトラブル回避にも繋がり、筆者としては特にお勧めの一手であると思います。

※不用品回収業者には注意する事!


遺品整理と称しながら、実際の目的は不用品回収であり、遺品整理の最中に不用品として処理する名目で、金銭的に価値のあるものを回収するけしからん輩も一定数おりますので、注意しましょう!

そういう輩は雰囲気で大体分かります。

※フリマアプリやリサイクルショップの方が高く売れる場合も…

買い取り業者は良心的な金額で買い取ってくれる場合もありますが、中にはフリマアプリ(メルカリやヤフオク等)を活用した方が、高く売れる場合が多いです。

その方面に明るくない場合は、手間がかかり精神的な負担になるかも知れませんが、出来れば金銭的に価値がありそうなものは、一般的な売却相場を知っておいて、より得になるあり方で処分する事が大事だと思います。

後は遺品整理が忙しくて、中々持ち込んで売ることが難しい場合は、ネットの買い取りサービスで宅配買い取りを行ってくれる大手の業者を利用するのも一つの手です。

◎作業希望日を聞いて、成るべく業者の都合で作業して貰う


例えば故人の住居がマンションやアパートなどの賃貸物件で、大家の要求があり、早急に対応する案件であれば致し方ないですが、その様な場合に期日がひっ迫していえる中で作業を依頼すると、料金が高くなる傾向があります。

何故かというと、作業完了予定日が決まると、必然的に多くの人間が必要になり、当然人件費が多くかかります。

特に短期決戦の場合、一日にトラックを何度も往復させたりすると、その作業だけで人件費が発生しますので、その分はしっかりと請求される事が多いです。

ですから、業者の方に依頼する場合は「今月中に完了して欲しい」、「○月○日までにやっていただけませんか」等、少し作業に余裕のある感じで依頼すると、料金が安く抑えられる傾向にあると思います。

◎自力である程度片づける事


これはあえて語るまでもない事ですが、業者は作業の負担の量により金額が変動するので、その作業量をある程度自分で減らしておくという事は、遺品整理業者を利用する場合に有効な手であると言えます。

例えば粗大ごみを事前に出しておいたりすると良いですが、自分でゴミを出す場合には、自治体が運営する廃棄物処理施設に持ち込むのが最も安価で済みます。

大量の衣類、布団、椅子やテーブルなどの家具類も、かなり安価に持ち込むことが出来ます。但し自治体によっては、処分場や清掃工場が対応していない場合もありますので、良く調べてから持ち込む様にしましょう。

最近では、家庭ごみ持ち込み禁止、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電の持ち込みが不可能の地域もあります。

上記の様に、出来る限り「これならできるな」という作業をやっておいた方が得策です。

後は作業する部屋の数でも値段が変動するので、ある程度自分で片づけた部屋のものを、他の部屋一か所にまとめて、作業エリアを限定するという事もコストを抑える上で重要な行動であると思います。

作業量が限定されていれば、見積もりの交渉の時に、有利に進める事が出来ます。

◎貴重品回収は自分でやっておく


上記の様に悪徳業者だったり、優良と思われる業者でも雇っている人間が魔が差し、片付けの時に偶然発見した貴重品(ネックレスや指輪等)を、こっそり自分の履いている靴下や下着の中に隠したりすることも、可能性として考えられます。

それら悪の心により、貴重品が不当に回収される事がない様に、金銭的に価値があるものは、ある程度自分で整理し、保管しておくと、リスクの回避にも繋がりますので、出来る限りやるべきでしょう。

◎相見積もりをとる事


相見積もりをとる事により、業者間の料金やサービス内容を比較する事が出来、自分にとって一番良い選択をすることが出来る可能性が高まります。

目安としては3社くらいが丁度良いのではないかと思います。

あまり比較数が多くなると、判断する負担や余計な手間と時間がかかる可能性が高くなるので、大体そのくらいに絞った方が良いと思います。

少なくとも2社は必要でしょう。

そして、他項目でも説明しましたが、悪徳業者は最初の見積もり金額を極端に安価で提示してくる場合がありますので、何故その金額なのか、しっかりと問いただすことが大事です。

また、追加料金の有無の確認も大事です。

キャンセル料の有無も。

少しでも怪しい雰囲気を感じたら、その業者は見送った方が良いでしょう。

見積りそのものにお金がかかる場合は、悪徳業者の可能性大ですので、そもそも関わらない方が良いと思います。

終わりに


遺品整理は、それぞれの状況が違う為、正解がない大きな課題であると思います。

上記に記された情報も、遺品整理についてのホンの一部分の情報にすぎません。

ですから、ご自身で様々な手段をもって情報を収集し、自らにとって一番良いと思われる整理のあり方を模索する事が一番大事な事だと思います。

今は、まだ遺品整理という問題に直面していないかも知れませんが、人はいつ亡くなるか分かりません。

朝元気だったのに、夜には亡くなっている。それが死というものです。

ですから、時間と心に余裕のある時に、いつか直面する遺品整理について、少しでも問題意識を持って、そうなった場合の想定と準備は少しずつ始められると良いと思います。

そうする事によって、いつか直面した時に、より最善の手段を選択できる可能性が高まるのです。

この記事が、今遺品整理の問題に直面している人、または、いつかこの問題に直面して悩まれる誰かの為の役に立てば幸いに思います。