保険金で修理ができる? 雨漏り修理・屋根修理に火災保険を使うメリット・デメリット

2021年5月31日

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屋根修理や雨漏り修理に火災保険を使うメリットとデメリットが知りたい!

こんな疑問にお答えします!

ここ数年異常気象の影響なのか、暴風による家屋の被害が深刻化しています。

特にやっかいなのが屋根の被害です。

早く修理しないと雨漏りによりさらに被害が広がってしまう屋根の損壊ですが、屋根修理や雨漏り修理に火災保険が使えるという事実は意外なほど知られていません。

火災保険といえば火災による被害をカバーする保険というイメージが強いですが、火災保険は火災以外にも広く家屋の損害をカバーしてくれる便利な保険です。

かなりの高額になることもある屋根修理、雨漏り修理で火災保険が使えればとても安心です。

しかし、火災保険の利用はメリットだけではなくデメリットもあることを知っておかなくてはいけません。

メリットとデメリットの両方を知った上で利用するかどうか判断してください。

今回は、屋根修理や雨漏り修理に火災保険を使うメリットとデメリットを紹介します。

家屋の修繕には火災保険が使える

自然災害により家屋に損害が発生した場合、その修繕には火災保険が使える可能性があります。

火災保険は建物を対象とする損害保険の一種で主に火災に対する備えとして加入しますが補償対象となるのは火災被害だけではありません。

火災保険は暴風による被害や落雷被害など気象災害よって生じた被害も補償対象です。

台風で屋根が損傷したり雨漏りが発生した場合も火災保険で修繕可能です。

火災保険を利用するメリット

屋根修理や雨漏り修理に火災保険を利用するメリットはいろいろあります。

住宅を修理するとなると規模にかかわらず何かと悩み事がつきまとうものですが火災保険を利用することで多くの悩みが解消されます。

万が一の時のために保険料を支払っているのですから誰に遠慮することなく堂々と利用して全く問題ありません。

高額の修理費用を保険でまかなえる

屋根修理や雨漏り修理で最大の壁となるのが費用の問題です。

住宅の修理にはそれなりに纏まったお金が必要です。

被害の程度によっても金額は変わりますが風災によって生じた屋根被害や雨漏り被害に関してはかなりの金額を覚悟しなくてはいけません。

屋根修理の相場は50~300万円とかなり高額です。

一部修理で対応できないほど大きな被害で全面修理が必要な場合はさらに高額の修理費用がかかってしまうため修理費用が工面できず応急処置だけで何年も我慢を強いられるケースは少なくありません。

火災保険が利用できれば修理費用の心配はいりません。

保険の契約や被害の程度によっても保障内容は異なりますが基本的には修理に必要な日用は全額火災保険でカバーされます。

一部負担が必要な場合でも2割程度の負担なので全額事故負担に比べればずっと安く抑えられます。

さかのぼって申請できる

風災被害の火災保険適用は被害発生から3年までが保険申請の期間と定められています。

震災後すぐに修理できなかったとしても3年間は火災保険が利用できるので時間が経過してからの修理であっても保険が利用できます。

被害発生後はバタバタと慌ただしく火災保険に関する十分な知識がないまま申請せずに過ごしてしまうケースは少なくありません。

後から火災保険のことを知ったとしても3年以内であれば問題なく利用可能です。

保険料はそのまま

自動車事故を保証する自動車保険は事故の被害にあって保険を利用すると等級が下がり毎月の支払保険料が上がってしまいます。

火災保険は自動車保険のように利用すると等級が下がって負担が増えるということはありません。

火災保険を利用して保険料を受け取ってもそのことが理由で毎月の掛金が上がることはないので安心して利用できます。

正当な申請であれば何度でも利用可能です。

火災保険を利用するデメリット

いいコトずくめに思える火災保険利用ですが実際にはそう簡単な話ではありません。

どんなことにも表と裏があるように火災保険を利用した屋根修理にもまたメリットとデメリットがあります。

メリットばかりに気を取られているとデメリットに足をすくわれてしまいます。

得したつもりで損をしてしまうことがないようにどんなデメリットがあるのかを知っておきましょう。

デメリットを踏まえた上で冷静に判断すれば一杯を防げます。

利用できるかどうかは契約次第

多くの火災保険は風災を含む自然災害によって生じた被害も補償対象に含んでいますが、一部の火災保険は火災のみを補償対象とし自然災害による被害は補償対象外としています。

風災は本契約とは別のオプション扱いの火災保険もあるので利用を検討しているなら契約内容をもう一度よく確認してください。

特にやすさを売りにする火災保険では本契約の内容を必要最小限にすることで低料金を実現しているため風災を補償対象外としている保険が多く見られます。

いざ申請しようと思ったら補償対象外だった、ということのないように被害にあう前に契約内容をチェックし必要な補償に加入しておくことが重要です。

自然災害による被害と認定されないと保険金は支払われない

火災保険を利用して屋根修理や雨漏り修理を行うには被害の原因が暴風など自然災害によるものと認定されなくてはいけません。

保険会社の査定により自然災害と認定されない限り保険金は下りないため担当者によるチェックが必要になります。

直接的な原因が自然災害によるものであってもその他の原因が大きく影響していると保険が利用できないことがあります。

例えば建物が老朽化していて通常の家屋であれば被害が発生しなかったようなケースや火災保険の補償対象である地震により生じた被害に関しては火災保険の補償対象外です。

屋根修理や雨漏り修理の必要性が自然災害によるものであると認定されるには厳しい基準をクリアしなければならず認定はかなり高いハードルです。

完全に自然災害によるものであっても修理費用の全額が認められず8割や5割しか補償されないケースも多く、あてにしていた火災保険が利用できず苦労する可能性もあります。

申請は契約者自身がやらなくてはいけない

火災保険の申請手続きは原則として契約者本人がすべての手続をやらなくてはいけません。

代理人による申請は無効とされてしまうため手続きにはそれなりの手間と時間がかかります。

屋根被害や雨漏り被害を証明するには破損箇所の写真などが必要ですが、専門家でもないのに屋根に登って撮影をしたり屋根裏に入ったりするのはかなりの苦労です。

申請書類の作成などは本人がやらなくてはいけませんが写真撮影などは本人以外でも構いません。

専門の修理業者の中には破損部の写真撮影や書類作成指導など申請手続きをサポートしてくれる業者もあるので申請に苦労したら相談し力を借りてください。

悪質業者に注意

屋根修理や雨漏り修理に火災保険を使えばほとんど費用がかからない、などという広告コピーで客を勧誘する修理業者の中には残念ながら悪質な業者が混じっています。

悪質業者は火災保険で修理費用がカバーできるから事故負担金はゼロ等とうまいことを言って客を勧誘しておきながら追加工事や補強工事などあれこれと名目を付けて追加料金を請求してきます。

信頼して全てを任せていたら肝心の火災保険が適用されないだけでなく高額の追加料金を請求される被害も報告されています。

保険が適用されなかった場合はどうなるのかなどリスクについてきちんと話をしない業者には要注意です。

まとめ

屋根修理や雨漏り修理は火災保険で修理できます。

しかし、火災保険適用のハードルはそれなりに高く状況次第では保険がおりない可能性があることも覚悟しておく必要があります。

保険を利用するのは悪いことではありません。

加入者の権利として保険を新生するのはかまいませんがリスクやデメリットについて知っておかないとあてが外れた時に混乱を招いてしまいます。

メリットとデメリットをよく検討し、火災保険を使うかどうか最終判断してください。